Gatan、K2 SummitによってMOF ZIF-8の表面と界面構造が明らかにされました

Posted: 
February 20, 2017

K2® SummitとK2 IS直接検出型カメラを使用することで、これまで不可能であった分解能でTEM像を取得することが出来、結果としてエネルギーや環境分野においてより効率的な材料を解析し設計することが可能となります。

2017年2月20日にオンラインパブリッシュされたNature Materialsの研究報告、“Unravelling surface and interfacial structure of a metal-organic framework by transmission electron microscopy” において、K2直接検出型カメラが、電子線照射に敏感な金属有機構造体(MOF)の解析に非常に有効であることが報告されています。

MOFの構造は、様々な産業分野においてその高い潜在能力からこの10年の間非常に注目されてきました。近年の電子顕微鏡の性能向上によって原子分解能以下まで分解能は向上しましたが、MOFのような多孔質材料に対しては、その高い多孔性により電子線に対し非常に敏感であり、その電子顕微鏡の性能向上はほとんど役立つことがありませんでした。

しかしながら、極めて低い電子線照射条件下において個々の電子を検出することが可能な能力を有するK2直接検出型カメラを使用することで、MOF ZIF-8の高分解能像を取得し、材料のバルク、表面、界面などにおける原子構造が高い分解能で明らかになりました。

“電子顕微鏡を用いた観察は、様々な材料の構造解析において欠くことが出来ないものです。しかしながら、MOFのような電子線照射に敏感な材料に対して電子顕微鏡を適用することは大きな制限を受けます。 本論文で示された結果から、高性能の検出器を導入することが極めて正しい選択であったことが改めて判りました。“とMing Pan博士(Gatan社、Senior VP of Business Development )と共同研究者は話します。”Han教授と共同研究者の方々と共に研究を行う中で、材料の構造、物性、そして性能の基本的な理解を深める新しい構造の発見に電子顕微鏡が有効であることを示す機会を頂いたことに非常に感謝します。“

本論文のキング・アブドラ科学技術大学(KAUST)の化学プログラム教授であるYu Han博士と共同研究者らはこのように話しています、“MOFのHRTEM像を取得する試みは数年前から始めていました。しかしながらGatan社のK2直接検出型カメラを使用するまでは成功することがありませんでした。Gatan社K2カメラの電子カウンティングモードは比類無い量子検出効率(DQE)を示し、極めて低い照射電流量においてもHRTEM像の取得が可能です。結果としてMOFのHRTEM像の取得が実現されました。Gatan社のK2カメラを使用することで実現した電子線に敏感な材料の高分解能TEM像から、大きな研究成果を得る事が出来ました”。

KAUST プレスリリース

K2直接検出型カメラに対するより詳しい情報は、​www.gatan.com/K2 を参照ください。

 

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