EBIC

電子ビーム誘導電流(EBIC)は、電子顕微鏡レベルで半導体材料およびデバイスの電気的特性を明らかにします。

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概要: 

メリット                    ワークフロー

EBICとは

電子線励起電流(EBIC)法では、試料やデバイスに電子ビームを照射したときに流れる電流を測定することで、半導体材料およびデバイスの局所的な電気的挙動の特性を明らかにします。

電子ビームが半導体に当たると、電子正孔対が生成されます。この電子正孔対のキャリアが内部電界が生じている領域に拡散すると、電子と正孔が分離して電流が流れます。EBIC法では、電流が外部回路に流れ込んだときにこの電流を測定します。再結合中心(自由電子と正孔が消滅する場所)を持たない材料では、測定電流は均一で着目する点はありません。しかし、電子と正孔が再結合する試料の領域では、測定電流がEBICマップでコントラストを生じるため、半導体試料における(少数)キャリアの流れが明らかになります。 

EBACとは

電子線吸収電流(EBAC)は関連する手法であり、電子ビームと電気プローブ間を流れる吸収電流を測定して試料の局部抵抗を明らかにします。外部回路で測定される電流は移動した電気経路路の抵抗に比例します。そのため、EBACでは電子機器の銅線の断線やコンデンサ内の短絡や故障チャネルが明らかになります。

EBICおよびEBACのメリット

機能 メリット
p-n接合と空乏領域の位置を検証 素子製造の有効性と均一性を測定
粒界、転位、沈殿物など、再結合中心の影響を解明 処理ステップを最適化して素子効率を最大化
少数キャリア拡散長を測定 材料品質を高い空間分解能で評価可能
集積回路の断線を明らかにする 故障箇所の診断時間を最小限に短縮

 

EBICのワークフロー

ステップ1:試料作製

標準的なEBIC法では、試料にダイオード特性を備えた電気的接合部(これにより電子と正孔を分離する電界が生じます)と外部回路に接続可能なオーミック接合点を有している必要があります。幸いなことに、太陽電池、レーザーダイオード、トランジスターなど多くのデバイスは分析に適しており、特に前処理は必要ありません。分析領域に電子ビームを確実に当てるだけです。 

デバイスの製造前に行う材料評価では、薄い電子透過性の金属性ショットキーバリアを分析領域に置いてダイオード接合部を形成すると、もう一方のオーミック接合点を外部回路に接続できます。

ステップ2:走査型電子顕微鏡(SEM)への移送と電気接触の検証

EBICまたはEBAC実験に関連する微細な電流を測定するには、試料に電気的に接続する必要があります。これは、多くの場合、ワイヤボンディングによる専用のEBICホルダーを使用するか、調節可能なマイクロマニピュレータを使用して行われます。 

ダイオード特性を分析し、試料がEBICに適しているかどうかを特定するため、電流-電圧特性を数多く取得します。定量的なEBIC測定の場合、逆バイアスの漏れ電流とシャント抵抗は低く抑える必要があります。

EBICホルダーと試料は、現在の多くのSEMではロードロックを使用してSEMステージにロードできます。ステージは改良され、EBICまたはEBAC信号を外部の測定回路に渡すことができる連結式の電気端子が装備されています。適切な電気接触が確保されているかどうかは、ここでもIV特性を取得することで確認できます。

ステップ3:試料の画像取得

試料全体にわたりX,Yパターンで電子ビームを走査することで、各ピクセルで得られる電流を測定できます。最も簡単なセットアップでは、任意のグレースケールを使用して電流の大きさを表すことができます。便宜的に微細な電流と大きい電流はそれぞれ黒と白で表示されます。定性的イメージングは電気的接合部の場所を示すのに役立ちますが、定量的測定によりさらに有意な分析を実施できます。定量的測定では、画像表示のグレースケールレベルが、任意の単位ではなく測定電流値(通常pA~μAの範囲)に関連付けて表示されます。これにより、試料間の有意な比較が可能になり、たとえば欠陥の影響を正確に理解することができます。 

ステップ4:分析

絶対強度電流値における電気的特性を分析できます。ただし、転位、粒界、積層欠陥などの欠陥の影響を測定するには、EBICコントラストの方がパラメータとして便利です。ここではバックグラウンド信号によってノーマライズされた電流を測定し、欠陥の再結合強度に直接関連付けることが出来ます。 

また、少数キャリアの拡散によって電気接合部に引き起こされたEBICプロファイルを分析することで、少数キャリア拡散長を局所的に測定することもできます。

リソース:

 

アプリケーション

EBICの概要

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