マルチパスin-situ スペクトラムイメージング法を用いた分割露光測定
Gatan社製使用装置
GIF Continuum® K3® システム
研究の背景
エネルギー損失分光法(EELS)を用いたスペクトラムイメージング法では、光学的にカップリングされたデジタルカメラの読み出しノイズの影響を抑えるため、これまで数十から数百ミリ秒のドウェルタイムを用い一回のスキャンでデータ取得を行ってきました。この場合、試料ドリフト、試料ダメージ、コンタミネーションはデータ取得開始から数分程度、あるいはデータ取得完了まで大きな問題にはなりません。マルチパススペクトラムイメージング(SI)では、高速で取得した各SIデータを所望の総ドウェルタイムに達するまで繰り返し積算します。この測定手法では試料の状態をすばやくフィードバックし、さらにフレーム間の試料ドリフトの補正が可能です。特に直接検出型カメラで取得したデータはショットノイズによる影響しか受けないため、K3カメラを用いてマルチパスデータを積算することでシグナルノイズ比(SNR)が向上します。さらに、単に積算するだけではなく各フレームを独立して保存することで、データ取得後に望ましくないフレームを除いたり、電子線照射によるダメージを評価することも可能となります。この機能は以降の測定に対して重要なフィードバックを与えます。