APEX EDS 2.2の新機能
はじめに
EDAX® APEX™ は、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)と電子線回折結晶方位解析装置(EBSD)のデータ収集、分析ソフトウェアです。 ここでは、APEX2.2の新機能であるフルスタンダード定量(Full Standards Quant:FSQ)と、その他の新機能について説明します。
スペクトル、イメージへのデータ貼り付け
最近追加されたアノテーションツールバーを使用すると、画像やスペクトルに文字や図形を簡単に追加できます。オプションの定規は、任意の形状を測定して、画像とともに測定値を保存できます。すべてのアノテーションをHDF5ファイルと関連するレポートに保存し、作成後に編集または削除できます。さらに、スペクトルはアノテーション付きの画像として保存できます。

Figure 1. a) Floating toolbar and annotations in the spectrum. b) Annotations in the SEM image.
スペクトルのノーマライズ
以前は、複数のスペクトラムを重ね合わせ表示すると、最大強度のピーク高さでノーマライズされました。 最新のスペクトルノーマライズ機能は、任意のエネルギー領域のエネルギー値を入力、またスペクトル上でマウスドラッグして設定可能です。ノーマライズされた比率はスペクトラムウィンドウに表示され、レポートにノーマライズされたエネルギー範囲が表示されます。

定量モンタージュマッピング
APEX 2.0で追加されたモンタージュマッピングにより、広い領域のSEM像とEDSおよびEBSDマッピング収集が可能になりました。ステージの動きを使用して、個々の高解像度の画像とマップを、大きな試料上でグリッドパターンで収集し、それらをモンタージュ像にできます。APEX 2.2では、このモンタージュマップをNET強度およびZAF(wt.%およびat.%)マップとして再構築できるようになりました。通常の1視野マッピングと同じような操作で実現できます。

フルスタンダード定量
フルスタンダード定量 (FSQ) は、今回のリリースで最も重要なEDSの新機能です。単一元素の標準スペクトルから、ビーム電流と検出器の立体角の積を求め、固有の基準値を計算します。このリファレンス値は、指定されたパラメータで収集されたのすべてのスペクトルで利用されます。ビーム電流や検出器ジオメトリーの違いをノーマライズします。標準試料と未知試料のスペクトルが同じ加速電圧で収集されている限り、標準試料を未知試料の定量に適用することができます。FSQでは3つのモードが利用できます。スタンダードモードは、スタンダードの選択を完全にコントロールしたいユーザーに向いています。マルチスタンダードモードは、ロードされたスタンダードの平均値を使用します。最後に、スマートスタンダードモードは、反復内部評価アルゴリズムを用いて自動的に最適な標準を選択するインテリジェントなアプローチです。FSQチャート(図4)は、標準試料が未知試料にどれだけ近いかを視覚的に表現しています。また、読み込んだ標準試料に基づき、元素濃度対Net強度の計算値を示す曲線も生成します。

Figure 4. FSQ chart of Si K. The yellow diamonds show standards, and the “X” indicates the unknown sample. The calculated curve gives the element concentration versus net counts based on the loaded standards.
まとめ
APEX 2.2の新機能は、プラットフォームをより良く、より強力にします。これらの強力な機能を活用しすることで、より高度な材料解析を行うことができます。