分割露光スペクトルイメージングによる、原子分解能の超低電子線照射量クライオEELSマッピング
Gatan社使用装置
GIF Continuum® K3® IS、エネルギーフィルタ、Gatan社製液体窒素冷却試料ホルダー、DigiScan™ 3 3とeaSI™スペクトルイメージングテクノロジー
研究の背景
電子線照射に敏感な材料の研究は、最新の高輝度の電子プローブと高効率のエネルギー損失分光器(EELS)を以ってしても、走査透過型電子顕微鏡(STEM)で原子分解能の電子エネルギー損失分光法(EELS)を行う上で困難なテーマです。それは、これらの材料が分析用のSTEMで用いられる大きなビーム電流に耐えることが出来ないためです。試料を極低温に冷却することで照射電子線量の許容度は大きくなりますが、試料のドリフトや様々な不安定性といった複雑な問題が伴います。そこで、マルチフレーム積算スペクトルイメージング(SI)法が提案され、STEMの像分解能とシグナルノイズ比(SNR)の双方を改善する手法として実証されました[1]。
EELSによる測定において、シンチレータを備えたCMOSやCCD検出器は読み出しノイズの影響によって低電子線照射量、高速のマルチフレーム積算SI法には不向きです。一方、直接検出型の電子カウンティングカメラはほぼノイズの無い読み出しが可能であるため、低電子線照射条件下でのマルチフレーム積算EELS SIデータの取得に理想的です[2]。本実験概要では、電子線照射に敏感な材料のクライオEELSマッピングを原子分解能で行う際のこの手法によるアドバンテージを紹介します。