強度差組成決定法を使用したリチウムの定量分析
測定装置
酸化リチウム試料中のリチウム濃度を測定するためにGatan OnPoint™ 検出器とEDAX® Octane Elite Super EDSシステムを使用しました。
背景
リチウム(Li)イオン電池は、高エネルギー密度でエネルギー貯蔵が可能で、他の技術に比べて軽量なため、電気化学電池として広く採用されています。しかし、Liのマイクロスケールでの分布を測定できる特性評価技術は依然として強く求められています。エネルギー分散型・波長分散X線分光法(EDS・WDS)などの走査型電子顕微鏡(SEM)で一般的に用いられるマイクロアナリシス技術は、蛍光収率の結合状態依存性やX線の再吸収の影響から、リチウムを含む低原子番号元素(Z ≤ 3)には適用が困難です[P. Hovington et al, Scanning 38 (2016) p571-578]。しかし、金属合金に関する最近の研究では、リチウム強度差組成決定法(Lithium by composition-by-difference method: Li-CDM)を用いて、Liを~1 wt%の精度で定量分析することが実証されました[JA.Österreicher et al., Scripta Materialia 194 (2021) 113664]。Li-CDM法では、EDSと反射電子(BSE)信号を定量的に記録し、計算によってリチウム含有量を決定することができます。ここでは、この方法を化学量論が既知の材料に拡張し、リチウムアルミネート(LiAlO2)のリチウム含有量を1.0 wt%以上の優れた精度で決定しました。