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インジウム固体電池の負極におけるリチウム合金相の解明

使用装置

Cipher®は、走査電子顕微鏡でリチウムの分布を定量的に明らかにする最初で唯一のシステムです。

背景

インジウムは、超急速充電と高いサイクル安定性を実現する可能性を秘めた、全固体電池の負極材料として非常に有望視されています。動作中に生成されるインジウム-リチウム金属間化合物相は、電池の短絡や安全上の問題を引き起こす可能性のあるリチウムデンドライトの形成を抑制します。さらに、インジウム-リチウム合金は高速拡散チャネルを提供し、5分以内に電池をフル充電することを可能にします。しかしながら、リチウム-インジウム相の微細構造変化に由来する性能のばらつきと高コストのため、これまで広範な商業的応用は阻まれてきました。リチウム-インジウム相の微細構造と動作サイクル中のその変化を評価するための適切な分析技術の欠如は、最適な性能を確実に提供する上で大きな障害となっています。

試料と方法

LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2(NMC532)正極、インジウム負極、および固体電解質から構成される固体電池試料を、50サイクルの充放電後に分析しました。試料は、低充電状態(30%)でグローブボックス内にて分解され、その後、フェムト秒レーザー付のZEISS Crossbeam 540を使用して試料(10 x 10 mm)を作製し、続いてPECS™ IIブロードアルゴンビームミリングシステムを使用して断面を調製しました。負極セパレータ界面の評価は、ZEISS Sigma VP走査電子顕微鏡(SEM)に取り付けられたCipherシステム(図1)を使用して実施しました。試料は真空下または不活性ガス雰囲気中に保たれました。分析の結果、セパレータとの粗い界面から10 µm以内に、リチウムリッチな二次相が局在している純インジウム負極であることが明らかになりました。相分析の結果、二次相は主にInLi2であること、負極-セパレータ界面から2 μm以内に部分的にInLi3およびIn3Li13金属間相が存在していることが確認されました。

 

二次電子像 a)は低充電状態(30%) 固体電池の負極とセパレータの界面が粗いことを示しています。Cipherを使用した元素マッピングでは、負極は主にインジウム (マップは示されていません) で、負極とセパレータの界面から 10 µm 以内にリチウムリッチな二次相 (b) がかなり存在していることがわかります。 相マップ c) では、二次相は主に InLi2であることがわかりますが、負極とセパレータの界面に隣接して InLi3および In3Li13の金属間相もいくつか存在しています。 リチウムのマップと相マップは Cipher を使用して作成され、データ処理簡易化のために、リチウム分析は負極領域のみに限定しました。マップ b) 中で青塗り部分は、分析未実施部となります。 相マップ c) は、図 a) と b) 中の点線で囲まれたサブ領域から作成されました。Cipher分析では、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を15 kV/2 nAで、定量後方散乱電子イメージングを10 kV/0.2 nAで実施しました。キャリブレーション用試料として純インジウム標準試料を使用しました。EDSスペクトルは、制動放射線バックグラウンドを用いてeZAFスタンダードレス定量分析しました。

図 1. 二次電子像 a)は低充電状態(30%) 固体電池の負極とセパレータの界面が粗いことを示しています。Cipherを使用した元素マッピングでは、負極は主にインジウム (マップは示されていません) で、負極とセパレータの界面から 10 µm 以内にリチウムリッチな二次相 (b) がかなり存在していることがわかります。 相マップ c) では、二次相は主に InLi2であることがわかりますが、負極とセパレータの界面に隣接して InLi3および In3Li13の金属間相もいくつか存在しています。 リチウムのマップと相マップは Cipher を使用して作成され、データ処理簡易化のために、リチウム分析は負極領域のみに限定しました。マップ b) 中で青塗り部分は、分析未実施部となります。 相マップ c) は、図 a) と b) 中の点線で囲まれたサブ領域から作成されました。Cipher分析では、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を15 kV/2 nAで、定量後方散乱電子イメージングを10 kV/0.2 nAで実施しました。キャリブレーション用試料として純インジウム標準試料を使用しました。EDSスペクトルは、制動放射線バックグラウンドを用いてeZAFスタンダードレス定量分析しました。

謝辞

この実験概要は、試料を提供いただいたZEISS社との共同作業で作成されました。