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EDAX OIMアナリシスを用いた相関顕微鏡法

はじめに

電子線結晶方位解析(EBSD)は、材料の微細な結晶構造を評価するための分析ツールとして確立されています。実際には、EBSDでは、検出器へ回折される反射電子の収量を向上させるため、かなりの試料傾斜(≒70°)を必要とします。このような試料のジオメトリーは、走査型電子顕微鏡(SEM)による他の特性評価技術にとって理想的ではありません。エネルギー分散型X線分析(EDS)の場合、平らな試料と大きく傾斜した試料の両方からX線データを効率的に収集できるように配置することができます。しかし、試料が傾斜していると、技術的な制約が大きくなります。波長分散型X線分析(WDS)やカソードルミネッセンス分析(CL)はその一例です。これらの技術は、EBSD(およびEDS)の特性を補完する情報を提供することができますが、データ取得のために傾いていない試料表面が必要となります。相関顕微鏡法は、これらの異なる技術を組み合わせて、より包括的な特性評価を行うための優れた手法です。相関顕微鏡法では、それぞれの特性評価手法を用いて、サンプルの同一領域からデータセットを収集します。そしてデータを空間的に相関させることで、対象領域の試料グリッド上の各ピクセルが、それぞれの分析手法のデータ値を持つことになります。この相関的な顕微鏡分析を容易にするために、EDAX® OIM Analysis™ ソフトウェアにはアライメント機能と分析ツールが用意されています。

結果と考察 

この相関分析機能を実証するために、カドミウムテルル(CdTe)太陽電池材料からEBSDおよびCLデータを収集しました。CdTe膜は、高周波マグネトロンスパッタリングを用いて成長させました。成膜後、387℃の大気中で30分間のCdCl2処理を行い、粒界構造を不動態化し、微細構造内の結晶粒を成長させました。フィルムには粗さがあるため、集束イオンビームを1°の入射角で照射、ミリングを行い表面のフラットな領域を分析しました。EBSDデータは、EDAX Velocity™ Super EBSD検出器を用いて、試料傾斜70°(ステージ傾斜68.5°+FIB入射角1.5°)、加速電圧20 kV、ビーム電流6.4 nAで、2,000点/秒の指数付けスピードで収集しました。CLデータは、Monarc® Pro CLシステムを用いて同じ領域から収集しました。ハイパースペクトルマップは、700 nmから1100 nmまで、ドウェルタイム0.2 s秒で収集しました。ハイパースペクトルデータの可視化にはDigitalMicrograph®を使用しました。807 nmにガウシアンピークが検出され、この波長のCLデータと同時収集した二次電子像(SE)を用いて、グレースケール像を作成しました。

 

OIM Analysisの相関顕微鏡ツールは、補完的な技術による画像をEBSDデータに関連付けます。この例では、807 nmのCL像とSE像が相関のために選択されました。このデータの強度範囲は、各画像と関連付けることができます。これらのマップとEBSDデータとの間の空間的な相関は、二次二変量相関法を用いて達成されました。この方法では、相関データとEBSDデータの両方で少なくとも9つの特徴が確認される必要があります。今回のケースでは、両方の画像で簡単に識別できるボイドが構造体に含まれていたため、両方の取得時に収集したSEマップを使用しました。この方法では、相関データをEBSDデータにマッピングすることができ、両方の技術で同じサンプリングステップサイズを必要としません。図1は、EBSDとCLの両方で取得した相関SE像を示しており、相関的な位置関係を示しています。

Correlated SE images from a) EBSD and b) CL acquisitions.
図1.a) EBSD および b) CL 取得から相関されたSE像

図2はEBSDの結晶粒界マップで、測定した方位から結晶を決定し、ランダムに着色して結晶の形態を示しています。図3は、807 nmの波長の発光の相関CLマップのグレースケール像で、OIM Analysisの相関値から生成されたものです。CL検出器は、この波長の光の強度マップを検出しました。この光は、CdTe材料内の電荷キャリアの再結合によって生成されたもので、材料の一次バンドギャップと相関があることが予想されます。

a) EBSD grain map, where grains are determined from the measured orientations and then randomly colored to show grain morphology. b) Grayscale image of the correlated CL map of the 807 nm wavelength emission, generated from the correlated values in OIM Analysis. c) The EBSD and CL data are visualized together in this EBSD Image Quality map with grayscale contrast. The CL intensity data at 807 nm is colored using a white-to-red coloring scheme across the intensity distribution.

Figure 2. a) EBSD grain map, where grains are determined from the measured orientations and then randomly colored to show grain morphology. b) Grayscale image of the correlated CL map of the 807 nm wavelength emission, generated from the correlated values in OIM Analysis. c) The EBSD and CL data are visualized together in this EBSD image quality map with grayscale contrast. The CL intensity data at 807 nm is colored using a white-to-red coloring scheme across the intensity distribution.

図2cは、EBSDとCLのデータを重ねて可視化したものです。この画像は、EBSDのImage Qualityマップをグレースケールのコントラストで表示し、807nmのCL強度データは、強度分布を白から赤へのグラデーションで着色しています。この相関関係により、EBSDデータとCLデータの関係を解析することができます。例えば、OIM Analysisのハイライトツールを使って、微細構造における異なる結晶粒界のCL強度を測定することができます。この例では、CdTeの高傾斜の粒界は、双晶の境界よりもCL信号レベルが低いことが分かりました。これらの結果は、材料内の電荷再結合部位を減らすことにより、双晶の境界がCdTeの変換効率に有益であることを示唆しています。CL信号はまた、結晶構造の方位と相関することができます。図5は、方位の関数としてのCL強度値の逆極点図(IPF)プロットを示しています。このマップは、結晶方位とCL信号強度の間に何らかの関係があることを示しており、表面の法線方向(ND)に対して(001)方位のCL強度が高いことがわかります。

A scalar texture IPF plot of the CL intensity values as a function of orientation.
図4.方位の関数としてのCL強度値の逆極点図(IPF)プロット

まとめ

このアプリケーションは、CLとEBSDのデータの相関関係から、いかに意味のあるデータを抽出できるかを示しており、より広い意味で、相関顕微鏡法全般の有用性を示しています。太陽電池材料の特性は組成の均一性と欠陥濃度に依存するため、CLは特に興味深いものであり、CLで詳細に測定することができます。EBSDは、これらの測定を補完する結晶の微細構造の特性を提供します。OIM Analysisの相関機能は、これらの分析技術間の関係を位置合わせ、視覚化、測定するための強力なツールであり、材料解析に関する新たな知見を提供します。

 

Conclusion

This application shows how meaningful data can be extracted from the correlation of CL and EBSD data and, in broader terms, the usefulness of correlative microscopy in general. CL is particularly interesting, as solar cell materials’ properties depend on compositional uniformity and defect concentrations, which can be measured in detail with CL. EBSD provides crystallographic microstructure characterization to complement these measurements. The correlative features within OIM Analysis offer powerful tools to align, visualize, and measure the relationships between these analytical techniques, and provide new insight into material performance.