DualEELS: エネルギー損失分光データに対するローロスデータを用いた補正の重要性

電子は物質と非常に強く相互作用することから、多重散乱はほぼ常に存在すると考えることが出来るほどです。エネルギー損失分光法(EELS)におけるコアロスエッジへの多重散乱の影響は、コアロスエッジに繋がる主なエネルギー損失の現象に続いて数eVから数十eVのエネルギーの損失(ローロスと同等)という形で観察されます。これはエッジに対する高エネルギー側への一次元のスミアリング、あるいはコンボリューションという形を取ります。結果としてエッジ形状を変えてしまい、エッジの同定が困難になると共に重なり合うエッジに対する定量計算がほぼ不可能となります。しかしながら、コアロスデータと共にローロスの強度分布が利用可能であれば、多重散乱の影響を補正することが可能です。

本ウェビナーでは、GatanのDualEELS™ のハードウェアと、ローロスデータとコアロスデータを取得するために採用した方法についてご説明します。GatanのDualEELSは、100 nsで動作するシャッターテクノロジーと超高速ドリフトチューブを活用し、完全に統合された効率的なDualEELSのワークフローを実現します。また、多重散乱の影響を考慮した定量解析においてDigitalMicrograph® がどのようにDualEELSを統合しているのかについてもご紹介します。多重散乱の影響に邪魔されることなく、電子の強い相互作用を最大限に活用することが可能です。

Presenter: Dr. Liam Spillane, Applications Specialist, Gatan

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Thursday, April 27, 2023
8:00 am - 9:00 am
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