スペクトラムイメージング

電子エネルギー損失分光法(EELS)データの空間分布情報を生成する体系的な方法。

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概要: 

スペクトラムイメージング(SI)は、電子エネルギー損失分光法(EELS)データの空間分布情報を生成する手法です。典型的な実験では、2つのデータ軸が空間情報に対応し、3番目の次元がエネルギー損失スペクトルを示すデータキューブを作成します。結果として得られるデータセットはスペクトラムイメージ(一次元の場合はスペクトラムラインスキャン)と呼ばれ、このデータはいくつかの方法で取得し、可視化できます。このデータキューブを作成するには、走査型透過型電子顕微鏡モード(STEM SI)で空間ピクセルごとに完全なスペクトルを取得するか、エネルギーフィルタTEMモード(EFTEM SI)で狭いエネルギー幅から得られる完全な二次元画像を順番にエネルギー毎に収集することでデータキューブを生成します。

スペクトラムイメージングの主な利点は、データ取得後に処理内容を決定できることです。データポイントごとに完全なスペクトルを取得できるので、データアーティファクトの特定と補正、画像コントラストの把握、データセットの範囲設定などを行い定量的な画像とプロファイルを作成できます。

STEMでの分析では、電子ビームは小さいプローブに集束され、試料を走査し、順番に空間情報(X,Y)を取得します。STEM SIモードでは、ピクセル位置ごとに完全なスペクトルを取得しているため、各スペクトルを処理することでスペクトラムイメージデータを構築できます。

一方、EFTEM SIは、平行に拡げた電子ビーム(TEMなど)を使用し、各面のエネルギーを変化させなが連続的に像を取得することでスペクトラムイメージデータを構築します。このモードでは、各画像は同時に取得されますが、スペクトルは順番に構築されます。

すべて取得したら、スペクトラムイメージデータから(EFTEM SIまたはSTEM SI)スペクトルごと(X、Y)、または面ごと(\DeltaE)に視覚化できます。1つのデータセットにスペクトル情報と空間情報が組み合わされていることで、データ分析の可能性は大きく広がります。何らかのスペクトル分析法をスペクトラムイメージデータセット全体に適用すれば、空間分解スペクトル分析を行うことができます。情報量が増大することは、材料分析と特性評価において強力なツールとなります。

研究の着目点

Crozier Research Group @ ASU

Department of Materials Science and Engineering.
School for the Engineering of Matter, Transport, and Energy. Arizona State University (ASU)

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